「午前2時を過ぎてもなかなか寝付けない……」
「身体はクタクタに疲れているのに、布団に入ると目がさえてしまう……」
日頃のストレスからイヤなことを思い出し、アレコレ不安を感じて眠れなくなることは誰でもあります。
医師から睡眠導入剤を処方されて薬を服用している人も少なくないでしょう。
眠れなければ、日常生活はおろか、仕事にも支障が出るのですから、薬を活用するのが“絶対悪”とは言えません。
しかし、できるだけヒト本来の睡眠力を取り戻すためにも、薬だけに頼らず、身体に備わっている自然の力を使うのが理想といえるのです。
自然の力を使って眠気を高める方法とは?
そこで私が推奨しているのが、「自己暗示」を活用した睡眠法です。
これは、「眠りを誘う自己暗示の技法」を用いた自己暗示文を黙読してもらうことで、その人の潜在意識にある「眠れない」という思いを取り払い、眠気を誘うようにする方法です。
そもそも人は何か作業に没頭するなどの集中状態に入ると、潜在意識が表出しやすくなります。
つまり、外部の影響を受けやすい状態が整うのです。
それゆえ、自己暗示文を読むことで、「眠れなくて困っている」という人の潜在意識にも「読めば眠れる」という意識が刷り込まれ、少しずつ不眠状態が改善できるようになるのです。
この自己暗示文は「エリクソン催眠」をベースにしたもので、ふだん目にする文章と違い、一見なじみのない言い回しや表現を使っています。
これらの表現には、『読み手の内側(内面)に意識を向ける』『「潜在意識」にストレートに入り込む』という特徴があり、情景をイメージしながらリラックスすることで寝つきやすくなる効果があります。
睡眠薬が「眠らせてもらう」という受身的な手法だとすれば、自己暗示文を読んで眠るとは、「自分から積極的に眠る」という主体的な手法です。
睡眠薬を使う前の状態、つまり布団に入って自ら眠ろうとする元の状態に近づける効果が期待できるため、身体にも負荷が少なく、快適な睡眠環境を取り戻してもらえる手法といえるのです。
「眠れなくてつらい」「寝つきをよくしたい」という方は、この手法で不眠から抜け出すきっかけが見つかるかもしれません。
では、さっそく自己暗示文の一例をご紹介しましょう。
自己暗示文『あくび』
まず両手を伸ばして背中を伸ばし、口を大きく開けて「あぁ~あ!」と言って、
わざと「あくび」のマネをしてみましょう。
(※実際にしてみてください)
いまのあなたは、まったく眠くはないかもしれません。
ここであなたは大きく口を開けて、「あくび」のマネだけをしてみました。
そして、あなたはこの話を最後まで読んでから、静かに眠ることにしてもいいかもしれませんし、そのまま眠ることをしなくてもいいかもしれません。
この話を読み終えて静かに目を閉じると、すぐに深~い眠りに落ちるかもしれませんし、徐々に浅~い眠りから深~い眠りに入っていくかもしれません。
それはどちらでもいいのです。
「眠~くなる……」って、どんな感じだったでしょうか?
思い出しながら、イメージしてみましょう。
(静かに目を閉じて、少しの時間、イメージしてみてください)
あなたの意識が、音もなく、静かにス~と、そして心地よ~く遠ざかっていく感じを思い出してみましょう。
右足あるいは左足のつま先から、そして両手の指の先から徐々に力が抜けていき、
やがて全身から力が抜けていくことがわかります。
何だかよくわからないようなすご~く気持ちのいい状態かもしれません。
それを少~し楽しんでみましょう。
そしてあなたは、「周りのことは、もうどうでもいいや!」と感じつつある自分に気づくかもしれません。
この文書の一文字一文字を目で追い続けることが、少~しつらくなっていることに気がついているかもしれません。
目を半分閉じて、薄目にして読んでも大丈夫しょう。
そして最後まで読み切れば、自然と深~い眠りにつけることをあなたは知っています。
「まぶた」が少~し重くなると、静かにス~と遠ざかるような気持ちの良い感じを味わえることも知っています。
あるいは、同じ行を2度繰り返して読んでいる自分に気がつくかもしれません。
それはとてもいいことです。 ここで耳を澄ませてみましょう。
時計の音が聞こえているかもしれません。
壁を通して、他の部屋の音が聞こえているかもしれません。
窓から外の音が聞こえてきているかもしれません。
空調の静かな風の音が聞こえているかもしれません。
あなたにとっては、もうどうでもいいことです。
いまあなたは深~い眠りに入るための準備をそろそろ終えようとしているところです。
また、「あくび」のマネをしてみましょう。
(※実際にまたしてみてください)
さっきよりず~っと本当の「あくび」に近いじょ~ずな「あくび」ができたかもしれません。
もしも眠くなければ、眠らなくてもいいし、そのまま眠ってしまってもいいでしょう。
これを読み終わったら、徐々に薄れゆく、そして遠ざかるあなたの意識を楽しんでみましょう。
ここまで読みながら、あなたは他のことを考え始めたかもしれませんし、
なんだか少~しボ~としてきたような自分に気がついたかもしれません。
「まぶた」がだ~んだんと重くなってきたと感じ始めたかもしれません。
眠るのは、最後まで読み終わってからにしましょう。
そろそろこのお話もおしまいに近づいてきました。
遠ざかっていく意識に対して、私からの最後の言葉です。
おやすみなさい……。
